星夜のセレモニー

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 強くなりたいって聞いたときは男らしいと思ったけど。 「ティミーさん、気が弱いってなに?」 「いや、家族は自分を除いてみんな女性なんですよ。怖くて怖くて……あ、実家はドールショップです」 「ふ、ふぅ~ん……」  人は見た目でわからないな~。 「だからこのラグナロク学園に入学したんですけどね、せめて姉と口喧嘩できるぐらい強くなりたくて……」  そう言ってるうちは強くなれないんじゃないかな? 「充分強そうじゃないか?」  サリー先輩が聞く。確かにこんなプロレスラーみたいな人だし、ガチムチだし。 「いや、家事任されてたんで体力には自信あります……」  か、家事…… 「どうだ見事な逸材だろう」  ホリン先輩が得意げな顔をした。 「なんというか……うん、ガチムチでいいんじゃないですか」  投げ槍に言った。 「これでメンバーは五人揃った」  私たちもティミーさんに自己紹介をする。  ホリン先輩がレッド、サリー先輩がピンク、レイド先輩がブラック、私がホワイト、そしてティミー君がブルーに任命された。  こうして冒険者学園ラグナロクの戦隊メンバーは揃ったことになった。  わたしたちの役割はラグナロク学園や町内の平和を守ること。  だけど……恥ずかしい。
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