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 話は過去を振り替える。わたしの村には病院がなかった……でも、わたしは生まれついて魔力を持っていた。北の貧しい村、冬は寒くて夏は日照りが続く。魔力を持っていたわたしは決心した。魔法医になるって。そうすれば村の人達の役に立つことができる。もう悲しい思いをしたくなかった……  このアストリア大陸にはモンスターが溢れかえっていて、迂闊に村や町から出ることはできない。昔からファンタジーと伝えられている。そのモンスターを討伐するための職業が存在する。それが冒険者だ。冒険者学園はいくつもあるしヤル気があれば誰でも入学できる。わたしは医学は難しい、だからこそ冒険者学園に入学して薬学と回復魔法の勉強をすることにした。  家族もわたしを応援してくれた。田舎から町に来て不安だった。でも、勉強しているうちに友達ができたり色んなことを習うことができた。慣れてきた、というか学園に馴染んだ。ラグナロク学園には寮がある。少ないながらも、家族が仕送りしてくれる。勉強は難しかった。でも、村で本から独学していたおかげで読み書きと簡単な計算はできた。ラグナロク学園で過ごす三年間、頑張ろうって決めた。  それなのに……入学して一ヶ月ぐらい経った頃に……
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