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 夕方、寮に帰る途中。当りが真っ暗になった。  気付いたら暗い部屋にいて、わたしは椅子に座らされせていた。 「気がついたようだねレミ君」 「ここは?」  真っ暗で何も見えなかった。ただデスクの前に座るシルエットだけ見えた。 「ここは秘密基地だ」 「秘密って明かしたら秘密基地じゃないんじゃないでしょうか?」  シルエットは黙った。 「ま、まぁ、そうだな。手荒に歓迎してすまなかった。君に頼みがある」 「嫌です」  わたしはきっぱり告げた。 「……せめて話は聞いてくれないか?」 「いや、だって古代の話にありますもん。こういうシチュエーションで話聞くとロクなことないって」 「断る権利もある」 「まぁ、それなら話ぐらいは」  シルエットは厳かに言った。 「君にヒーローをやってもらいたい」 「はぁ?」  思いもしない発言に私は素になった。 「君も冒険者学園に入学して学んだならばわかるだろう。戦隊物ヒーローが」 「いや、わかりますけど……なんでわたしがヒーローに? そこらのスライムやゴブリンにも勝てないんで向いてないと思うんですけど」 「大丈夫。君に力を授ける」 「いりません」  声は沈黙した。
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