2…赤の折鶴

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「このまま先へ向かうと、宿場町まで行っちゃうから、そろそろ戻らないとね」 あつ兄の奥さんは車をUターンさせた。 「そっか、あそこはあそこで、また別の時に行きたいなー」 「いいわよ。じゃあ、月曜に行きましょ?あそこの宿場町に、新しく食事処が出来てね。うちのお野菜使ってくれてるのよ?」 「そうなの?すごいね!」 「地元の野菜にこだわってるお店なんですって」 「是非にでも行きたい!」 私はそう言って、緩やかな川を見ると、 「えっ?…」 赤色の何かが浮かんで流れていた。 何だろう、あれ…。 私は目を凝らす。 「ねぇねぇ、あれっ。何か川に浮かんでない?ほら、あの赤色の何か…」 私は妙にその小さなモノに胸騒ぎを感じて、放っておけなくて、あつ兄の奥さんに声を掛けた。 「あぁ、あれね」 「えっ、何か知ってるの?」 「毎日ってくらい、木の船に乗って流れてくるわよ。上流の方から、きっと誰かが何かを思って流してるんだと思うのよね」 誰かが?… 何かの思いって、何だろう。 「へぇ、そうなんだ…」 「気になる?」 「うん」 あつ兄の奥さんは少し車を走らせて、川沿いに車を止めて、赤色の物体が流れてくるのを私達は待った。
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