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「居づらい?そんな細かい事は、もうここへ来たら考えんでいいんだぞ?親戚だって家族なんだから。自分の家みたいに、大の字でくつろいどりゃいい」
おじさんは声高らかに笑った。
楽しいおじさんに、私も笑った。
コンビニもない。
街灯も少ない。
天気のいい夜は、星が降ってきたような大空が天に広がる。
少しだけ歩くと、やっと一軒見つかる。
農家の家だから、敷地はかなり大きい。
おじさんの息子夫婦も、敷地の中に建つ一軒に家を構えていて、この家では、3世帯の家族が住んでいるのだ。
本家の玄関を開けると、
「おばあちゃん、トシちゃん来たよー」
おじさんの大きな声に、ガヤガヤと集まって来る。
「トシちゃん、ほれ疲れたでしょー」
おばさんが手荷物を受け取り、私を居間へと連れていく。
「お邪魔しまーす。この度は、お世話になります。あつ兄夫婦は?」
私はおじさんの息子夫婦を気にすると、
「ジャーン、わっ!居りますがな、ちゃんと」
奥さんと顔を覗かせて、笑って参上。
「トシちゃん、新参者のうちの子でも抱っこしてやってよ」
「えっ?新参者?」
あつ兄の奥さんは、赤ちゃんを私に渡した。
そう言えば、なんとなく聞いてたかも。
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