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翌日は遅めの起床。
みんなは働きに出て行って。
私はおばあちゃんの部屋で泊まった。
子ども扱いされるように何度も、
「おトイレはいいかね?」
と聞かれたからか、少々寝不足気味で。
でも、
「昼までゆっくり寝とりなさい」
と言われて、私は素直に甘えた。
おじさんとおばさんは、畑へと行ったみたいで。
あつ兄は、だいぶ下った先にある農協へと働きに出掛けていった。
お昼過ぎて、遅い昼食をとる。
「ねぇ、ちょっと散歩しない?」
「わーい!」
あつ兄の奥さんが誘ってくれて、遠くならない程度の場所へと、赤ちゃんを連れてドライブをした。
川沿いの道を走る。
「この川の流れも音も、昔のままだな…」
「そうね。ここは何も変わらないわ。むしろ、今よりももっと素直に生きてた頃の自分を思い出させてくれるわよね?」
「うん、本当だね…」
木々の揺れ方も、葉っぱの落ち方も。
それは静かにゆっくりで。
「私、ここへ来てよかった…」
車の窓から、何も変わらない景色を見つめて。
車の窓越しに映る、自分を見つめる。
私の選択は、間違いじゃなかったと思えた。
私の表情が、それを表しているのだから。
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