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そう考え直すと罪の質が変ってくる。
二人の立場で余計に罪深いのは和子を口説き落として身体を奪った真人ではなく、
自分でも気付かず若い男を誘っていた和子ということになってしまうからだ。
無論、
真人がその気にならなければ和子の態度は夢想の域を出はしない。
が、
一旦、
真人がその気になれば、
たちまち夢想が現実へと取って代わってしまうのだ。
夢想に裏打ちされた儚い現実。
けれども儚かろうと現実は現実であり、
そこには罪の意識が宿るのだ。
蓮池真人が最初に和子の目の前に現れたのは美咲の家庭教師としてだ。
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