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真人はつるんとした若者だ。
夫の武則も昔はつるんとしたところがあったが、
歳とともにそれが薄れる。
中小企業の営業職として長年培ってきた自信と責任が武則に人間らしい存在感を与え、
それがつるんを消しているのだ。
望むと望まずに係わらず、
またそれを言えば世に働く誰しも皆そうだろうが、
職業は人の性格を変える。
本質までを変えることはなかろうが、
実はそれすら時間をかけてずらしていく。
その結果、
営業職という職業は営業畑に相応しい性格の人間を育み、
同様に研究職は研究畑の人間に必要な大胆さと繊細さを兼ね備えた性格をその場に沈んだ誰かに付与するのだ。
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