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美形と言うにはいささか鼻が高過ぎたが、
目眉にぽってり感がなくキリッと締まっているので、
顔全体のバランスが大きく崩れていない。
また物腰も柔らかで、
和子たちの育った時代に時折あったような暴走性も感じられない。
見た目、
絵に書いたような優等生だ。
それで和子は安心したが、
同時に物足らなさも感じたのだ。
娘に手を出す心配をまったく感じなかったと同時に自身の心のときめきも失われる。
最初に真人と会ったのは都内某所にある家庭教師派遣センターの応接室。
センターのシステムによっては、
いきなり自宅に家庭教師が訪れる場合も多いが、
中野家が娘に家庭教師を付けるのが初めてだったから、
和子がわざわざ出向いたのだ。
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