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「唯には明日でもいいかな?」
「トモには連絡してるから大丈夫だろ」
「……そっか」
「もう寝ろよ」
「でも、ヒロ君は?」
そんな質問には苦い笑いを。
「やんなきゃいけないことがあんだよ」
「……ぁ」
「ごめん、なんて言うな」
言いたい言葉は彼の手に封じられて。
「でも」
「うるさい。いいから寝ろ」
「……ここで寝ていい?邪魔しないから」
ここは寝室兼彼の仕事部屋。
彼女の台詞にヒロキはフッと笑って、ヒナの頭を撫でてやる。
「いつもそこで寝てるだろ?」
「そう、だけど」
「キーボードの音、気になんねぇか?」
「平気」
「一人で寝れないなら添い寝してやろうか?」
ほんの少し意地悪な台詞。
いつもなら頬を膨らませて不貞腐れるのに、
「……でも、お仕事でしょ?」
なんて返すから――。
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