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「えっ?」
突然の提案に大きな目は更に大きく開かれる。
「どうする?」
その瞳の中には優しく笑うヒロキがいた。
「やっ、いいよ。ついこの間も行ったし、動物園なんて――」
「嫌いか?」
「……好きだけど、でもっ、仕事とか」
「一日くらいは平気なの」
「ヒロ君、そんな好きじゃないでしょ?」
「行きたくねぇの?」
そう聞かれれば……。
「行き、たいかな……?」
遠慮がちにそう答えるヒナにヒロキはクスリと笑う。
「じゃ、次の休みな?」
「……うん」
「どうせなら晴れるといいな」
「うん」
少しだ顔の表情を緩めるヒナの肩をヒロキは抱き寄せて、二人はまだ雨模様の外を眺めた。
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