ヒロ君、初めてのおつかい

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意味のわからない言葉に間抜けな声を返すヒロキ。 だからヒナはダルい体を起こしてシーツを纏ったまま、両手でグイッとヒロキの胸を押した。 「部屋から出てって!!」 理不尽な要求。 だけど、涙目の顔があまりにも真剣だったからヒロキはベッドから立ち上がる。 それでもほっとけないから脚を止めて振り返って声をかけた。 「――あのな、しんどいならハウスキーパーでもなんでも」 「嫌っ! 自分でやるったら!!」 だけど思いっきり叫ばれて睨まれて、ヒロキは「……分かったから」と小さく息を吐いて部屋を出た。 一人部屋に残されてヒナは大きく息を吐く。 それでも下腹部の痛みは和らいだりしない。 「……最悪だぁ」
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