第1章

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呼び止められて、振り返るとそこには絶望が待っていた… 俺の中で一瞬時が止まる そして我に返ると、後悔と無念の気持ちが全身を駆け巡る 「俺は負けたのか…」 まるで俺の中に残る諦めきれない想い、まだ現実を受け止める事の出来ない気持ちを払拭するかのように 自分自身に敗北を認めさせるために絞り出した言葉だった この先の事を考える余裕など無い まずはこの“絶望”から抜け出さなければならない そんな中彼らは容赦なく高笑いをあげている 悔しさは一向に増すばかりだ 沸々と沸き上がるこの感情を何処にぶつければよいものか そこで俺は一つの策に出る それは「リベンジ」だ 例え復讐を成したところで、憎悪の連鎖は止まらないであろう しかしここで諦めたのであれば男が廃ってしまう 俺は噛み締めた唇をほどき、言葉を絞り出した 「もう一度チャンスをくれ」 彼らはヒソヒソと何やら会話を始める …分かっている 俺がどれだけ惨めで、どれだけ勝手を言っているのかは… そして彼らは目線を俺に直し、口を開いた 「いいだろう」 その言葉に俺の全身には熱い血が流れる 歓喜と緊張が混ざった血だ 俺はそのまま力強く立ち上がり、彼らに余裕の笑みを見せつけた 恐怖にも似た緊張感に惑わされながらも、精一杯の強がりを見せる しかしこれは心理戦でもある この状況で俺は一歩リードしているに違いない これは始めが肝心だ 俺は余裕の笑みを浮かべたまま踵をかえした そして再び激戦の幕が上がろうとしていた
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