~安藤 零の出逢い~

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まず初めに自己紹介をした子はまあまあな感じかな。 良くもあり悪くもない、普通に可愛い女の子。 好きなものは甘いモノ、ってなんかアバウトだなーという印象。 次の子はフリフリのスカートに胸を強調した白いシャツで化粧がすごく濃い。 自己紹介しながら俺とチラチラ目が合う。 何でだろう? 3番目の子はとても声が特徴的。 アニメの声優さんとか目指してますか?、って宮川が聞いたら「そんなことないですぅ」って返しつつ満更でもない顔をしている。 絶対動画とかネットで歌ってみた。とかなんかやってそうな感じ。こういう子ほど、裏で何してるかわからない。 そして最後に紹介した子が俺の中ですごくドキッとした。 「えーでは、次の方お願いします!」 「はぁ…。よいしょっと。 えーと、あたしは葦木場 譲刃です。ゆずりはって名前珍しいってよく言われます。今日は数合わせでやってきたので自己紹介終わったらすぐに帰ります。以上です」 最後にニコッと笑って葦木場はゆっくりと椅子に座った。 一瞬場の空気が凍ったが司会が立直しまた自己紹介が続けられた。 葦木場 譲刃(あしきば ゆずりは)。 最初来て見た時、男の子?と勘違いするほど綺麗な顔した女の子だった。 目が合うとすぐにそらして下を向いてしまった。 合コンやる気満々の女子の中で一番場違いに見えてしまったのは、やはり俺と同じで数合わせで連れてこられたんだと今確信した。 俺の向いの席の葦木場さん。 よく見るとすごい数のピアスが耳に開いている。 「…ねぇ、次君だよ?あたしのこと見ないでくんない?」 ふと、嫌悪感露に葦木場さんに声をかけられはっとした。 いつの間にか自己紹介が俺の番まで回ってきていた。 「では、女子の皆さんの本命くん! 安藤 零の自己紹介でっす!!」 ん?本命? 俺が立ち上がると葦木場さん以外の女の子がキャーキャー騒ぎ始めた。なんかこの合コンで俺が呼ばれた意味を今ようやく理解した。宮川…後でお前を殴りたい。 「…安藤 零です。父がフランス人でハーフです。俺も葦木場さんと一緒で今日は数合わせって言われて来たのですぐに帰ります。今日は皆さんと出逢えて良かったです」 顔を青ざめる宮川にアッカンベーをして俺は席に座った。 俺の目の前の葦木場さんも驚いた顔して見つめていた。
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