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「え、えええーーーと…では、自己紹介も終わったので席替えターイム!!イエーイ!好きな席に移動しましょう!」
「では、あたしは帰ります。お疲れ様でした。会費
は…女子はいいんでしたっけ?」
宮川が1人、場を盛り上げようとした時に
葦木場さんが荷物をまとめ立ち上がった。
本当に帰る気である。
俺も立ち上がり荷物を持った。
「じゃあ、3対3にした方がいいと思うので俺も帰ります。後は皆さんで楽しんで下さい」
「え?ちょっと!!!安藤くんは居なさいよ!あたしだけ帰るから!」
と、葦木場さんは俺を睨みながら言い
宮川も俺の腕を掴んだ。
「そうだよ!安藤くんは残りなさい!宮川くんからのお願いです。本当に帰らないで!」
他の女の子達も「安藤くんは帰らないで!」など呼び止めてくれるけれど、誰も葦木場さんを呼び止める声はない。
俺は葦木場さんの手を無理矢理掴んだ。
「なっ!!」
「ごめんね。また、今度!」
また呼び止められる前に俺は急いでお店から出た。
その時、葦木場さんも一緒に。。
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「本当、あなた空気読めないんですね。」
「だって合コン嫌いなんだもん。女子の香水とかやる気満々な顔とかアドレス聞きたそうなあの顔とか…」
「…イケメンだからって許されませんよ。つか、いつまでいるんですかあなた。」
「あなた、じゃなくて安藤零です。葦木場さん?」
「覚えたくないので言わなくてもいいです」
店を出て、街の大通りを歩いている。
真冬の東京の夜はかなりら寒いけれども街が明るく賑やかだ。
人通りも多く、スタスタ前を歩く葦木場さんを追いかけるのに俺は必死だ。
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