Prologue

1/3
0人が本棚に入れています
本棚に追加
/12ページ

Prologue

廃棄物が完全に分解されて、全く別の物へと変わるのでなかった。 有益の影に潜む純度の高い廃棄物は、親類の英知に逆行していた。 「約束は必ず守ります」 オレはその言葉を信じるしか出来なかった。 白いツナギに着替えさされ、三両編成のトロッコ列車に乗せられた。 他にも人が乗り込む。 頭からツナギを着ていて、無言で俯いた彼らは性別も年齢も分からなかった。 「この列車が止まったら、奥へと進め。そこに扉があるから壁にある赤いボタンを押して中に入るんだ」 ホームと呼ぶには余りに簡素な場所にいた男が叫んでいた。 「三両目に廃棄物が入っている。良いか、それを棄てて来るんだ!」 オレは彼等との約束を思い出した。 ーー約束は守る! トロッコ列車はオレたちを乗せて静かに動き出した。
/12ページ

最初のコメントを投稿しよう!