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Prologue
廃棄物が完全に分解されて、全く別の物へと変わるのでなかった。
有益の影に潜む純度の高い廃棄物は、親類の英知に逆行していた。
「約束は必ず守ります」
オレはその言葉を信じるしか出来なかった。
白いツナギに着替えさされ、三両編成のトロッコ列車に乗せられた。
他にも人が乗り込む。
頭からツナギを着ていて、無言で俯いた彼らは性別も年齢も分からなかった。
「この列車が止まったら、奥へと進め。そこに扉があるから壁にある赤いボタンを押して中に入るんだ」
ホームと呼ぶには余りに簡素な場所にいた男が叫んでいた。
「三両目に廃棄物が入っている。良いか、それを棄てて来るんだ!」
オレは彼等との約束を思い出した。
ーー約束は守る!
トロッコ列車はオレたちを乗せて静かに動き出した。
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