プロローグ

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ふと、目が覚めた。 暖房を切って寝たから、部屋はとっくに冷えている。布団の中の温もりが手放せなくて再び潜り込み、目を閉じた。 しかし、一向に眠気は来ず。 寝返りを打ってベッドサイドの携帯を手に取ると、朝方の4時32分と表示されていた。 気分は二度寝をしたいのに、すっかり目が冴えてしまった。 どうしようかと考えていると、背後からお腹に手が回されて、グッと引き寄せられた。 じんわりお腹と背中から温もりが伝わる。 包み込まれているようで安心と幸福感に満たされる。 ぐるりと寝返りを打って、愛する人の胸元に顔を埋めた。すると、さらにギュッと抱き寄せられた。 外は雨が降っているのか、雨音が聞こえる。
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