プロローグ

6/6

115人が本棚に入れています
本棚に追加
/71ページ
「僕は飽きてないよ。まいさんが良いならそれで良い。寒くない?ここ冷えるから布団入ってたら?」 「大丈夫よ。」 「新しい家は設備ちゃんとオーダーしてるから。もうちょっと我慢してね。」 今度の家は一軒家。 今のアパートよりだいぶ広くなって、過ごしやすくなるはず。今のままでも不便はなかったけど、後々子供が生まれたらと話し合った結果、家を建てて早めに引っ越しという選択に至った。 何度か工事の様子を見に行って、早く住みたくて仕方がない。内装が最終段階を迎え、引き渡しは一応今週末の予定。 来週には引っ越しできる。 「我慢なんて…、新しい家、楽しみだね。」 「うん。やっと落ち着ける気がする。」 「今のままでも十分落ち着いてたのに。」 「ダメだよ。やっぱり広いところの方が、物も増えてくるんだし。」 夫は私を抱き上げて、自分が椅子に座ると、膝の上に私を乗せた。 そして、優しくキスをした。 優しく愛でるように。 そして耳元で囁くーーー 「まいさん、愛してる。」
/71ページ

最初のコメントを投稿しよう!

115人が本棚に入れています
本棚に追加