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出会った高校生の頃は子犬のように麻衣子の半歩後ろを歩くことが多かった。
今はこうして言葉も行動も静流がリードする。
「…うん。」
お互いに大学が早く終わったから、その足でデートしようと話になったのだ。
レポートに追われるようになった2人。
静流は優秀生だからか、教授にも良くしてもらっているようで、そのことを静流はこき使われてると嘆いていた。
「ほらね。…ご飯何食べる?」
「んー、…」
考えていうか迷ったが、やっぱりーーー
「ねぇ静流。」
「どうかした?」
「美藤さんたちのところ行こう。それでゆっくり最近のこと話したいな。静流とたくさん話したい。」
麻衣子がそういうと、静流はすぐに笑顔になった。それも満面の笑み。その言葉を待っていたかのように。
「いいね。そうしよう!」
決まれば早い。
静流は当たり前のように麻衣子の手を取って、美藤の元へ方向を変えた。
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