エピローグ

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そして、今日もーーー 「岬、天羽さんの邪魔をしちゃダメでしょ」 優しく窘める華の物言いは上品で、荒々しいとは正反対。 「だってぇ…」 「華さん俺は大丈夫ですよ。」 「天羽さん…」 申し訳なさそうに彼の名前を呼ぶ。 すると麻衣子と静流にいち早く気づいたのが岬だった。 怒られて不貞腐れた岬が外を見ると、手を繋ぐ静流と麻衣子が見えた瞬間叫んだ。 「まいちゃんだ!!!」 窓に張り付く岬に2人も気づいて笑っている。 手を振る麻衣子に岬もブンブンと手を振って返す。そして、ソファから降りて店のドアの前に移動した。 「いらっしゃいませ!」 店のドアが開くなり、岬が叫んだ。 「岬くん!」 「まいちゃん!」 麻衣子を呼ぶなり抱っこと両手を広げられ、それに快く応対する麻衣子は岬をすくい上げるように抱き上げた。 「いらっしゃい2人とも。もー岬ったら麻衣子ちゃんくるといつもこれなんだから」 「いらっしゃい。好きなところ座って。」 泉が2人に気づいてカウンター前のテーブル席へ促す。2人の定位置はなんとなくここと決まっている感じだった。 「まいさん、岬抱いてると親子みたいだよね」 「麻衣子ちゃんの将来はこんな感じなのねぇ…」 しみじみ思う華に、顔が熱くなるのを感じた。
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