最後の天皇と記者とのやり取り

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「ナツヒトは、あなたの子供だ。おそらく、この部屋で育て上げたんだ。アキヒトはインターネットで教育したといっていた。皇居の外で育てたのだから、ここでもおかしくない」と決めつけた。決めつけると、慌てて否定する時に綻びを見せることがある。 「そんなことはありません。ナツヒト君と会ったこともありません」 「ナツヒト君か。会っていないのに君付けはしないだろうから、八重さんが育てたことは確かみたいですね」と、確認した。宮本は、自分の失態を悟ったようで、 「但馬君。いったい何を目論んでいるの」 「私は、皇室御用達の記者ですから、アキヒト様の御代が数百年も続いて欲しいと願っているだけです」と答えると、笑いだした。 「笑わせないでよ。あなたはスクープのネタをつかむと、若手の記者にスクープさせてきた。黒幕ぶっているけど、臆病で、最低のクズ野郎だ」と、罵倒した。 「それは、最高の褒め言葉ですね。ありがとうございます」と笑いながら答えた。宮本は、Sだ。Mとして行動すれば、抱かしてくれるかもしれない。セックスした方が情報は得られるような気がする。私は基本的にはSだが、Mのことは理解しているから、Mを演じることにする。 「女王様。最低のクズ野郎を許してください」といって、土下座した。下から宮本の股間を覗いて、足にキスした。 「あなた様は最高の女神様です。皇太子が決まれば、あなたが皇后になるのを邪魔する人間はもう誰もいません。あなたが、皇后様です。私は、あなたが皇后になるために、皇后候補をことごとく潰してきました。本当に忠実な犬です」と、思いつきを口から並べたてた。だが、宮本は驚くとともに怯えた。図星だったようだ。 「そうだったんですね。あなたは、高木を使って私に情報を流し、皇后候補を次々にスキャンダルまみれにしてきた。アキヒトが若い女に近づいていくのを呆れて見ながら、私に潰させた。私はあなたに感謝されてしかるべきです」
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