最後の天皇と記者とのやり取り

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 ある時から、皇后探しの熱意を失われました。それは、年齢からかもしれませんし、私を抱くようになったからかもしれません。私は、宮内庁に勤める前に避妊手術を受けています。間違いがあっても、子供が生まれないように、天皇の近くに仕える女性は避妊手術が求められました」 「なぜ、避妊手術をしたのですか」 「宮内省から役割上、決まっていると説明されました。ただ強制されたわけではなく、自主的に避妊手術を受けました」 「なぜ」 「避妊手術していないと役割が限定されます。皇后がいても、皇后がセックスを望まれなければ、だれかが処理をしてあげなければいけません。公にされる話ではありませんが、昔から置かれている役職です。まさか、外へ女郎を買いにいかせるわけにもいかないし、売春婦を皇居に入れるのもはばかられます。皇室にも大奥が必要なのですが、置かれなかったので宮内省内にそういう役職があったのです。  何人かの女性の中で、アキヒトは私を特別に愛してくれました。しかし、私は子供を生んであげることはできません」 「要するに、あなたは、女性版の宦官なんだ」
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