最後の天皇と記者とのやり取り

27/33

1人が本棚に入れています
本棚に追加
/33ページ
 年配の女性記者が、 「ナツヒト様が次の天皇になることに、まだ抵抗する人たちがいます。その反対について、どのように考えられていますか」 「法的には、裁判所が決めて欲しいと考えています。 ナツヒトが国民に受け入れられるかどうかは、私にはわかりません。 ただ、落ちつくところに落ちつくだろうと思います。 個人的には、不満が残る皇太子であったとしても、皇太子を残すことができたことに満足しています。 ナツヒトが、健やかに成長してくれたことを嬉しく思います。 彼の皮膚の色に不満があるかもしれませんが、私が最良だと考えた皇太子であり、私を信じて欲しいと思います。 ナツヒトにとって、私の死が予定より遅くなったことは幸運だったと思います。 皇太子として私の代理を続けている間に、準備が進みました。 何より、ナツヒトに嫁が来てくれ、ありがたくてなりません」 「皇太子に助言されるとしたら、何でしょうか」 「子供は多い方がいい。五人ぐらいは生んだ方がいいと助言しています」と、笑顔で答えた。
/33ページ

最初のコメントを投稿しよう!

1人が本棚に入れています
本棚に追加