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私が質問した。
「ナツヒト君は、あなたの息子さんですか。申し訳ありませんが、日本人とのハーフとは思えない肌の黒さです。暗闇では顔がどこにあるのかわからないほど黒い。私は、別に黒人を蔑視しているのではありません。あなたの子供なのかどうかを確認したいのです」
「私の息子です」
「天皇陛下。現代の科学技術をバカにしてはいけません。ナツヒト君の汗から入手したDNAとあなたの血液から採取したDNAを比較した結果、百パーセントあなたの子ではないことが確認されました。何より、ナツヒト君には日本人の血が一滴も入っていません。これはどういうことでしょうか」
アキヒトの顔色は変わったかもしれない。しかし、病気なので、よくわからない。
「息子だが、血のつながりはない。
君のいう通りです。
ナツヒトは、アフリカの王から贈られた奴隷です。
贈られたのは奴隷女ではなく、日本語をうまく話す奴隷の少年でした。
私の話し相手として贈られたものです。
ペットのように殺してもいいといわれました。
だから、ナツヒトは死を怖れていません。
彼なら、命を捧げて日本国民のために尽力してくれると考えています」
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