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天皇は少し疲れたので終わりにしたいといい、私を指差し、
「但馬君。君には世話になった。最後に一つだけ頼みがあるが、聞いてくれませんか」
「陛下。何でしょうか」
「ベッドの下に青いバルブが二個あります。それを両方とも閉めてください。私には手が届かないのです」と、いうので、ベッドに近づき、指示通りに操作した。すぐにアキヒトは眠りに入った。それより早く、宮本が駆けつけてきて、
「何をするんですか」
「いわれた通りに…」と説明したが、宮本は医者たちを呼び、救急救命措置を始めた。しかし、医師たちの努力も空しく、手遅れだった。亡くなったアキヒトを運び出しながら、宮本は、
「但馬、おまえを殺人罪で逮捕します」といった。何が起きたのかわからず、呆然としていた私は、
「いわれた通りやっただけだ。八重、何を怒っているんだ。こんなのは、自殺ほう助にもならない」と、叫んだ。だが、警官に拘束されて連行された。
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