最後の天皇と記者とのやり取り

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 アキヒトとマスコミの関係は歴代の天皇の中でも最悪だ。過去には、若い記者の質問に対して、 「なぜ、結婚しないのですかなんて質問をしないでください。無礼です。結婚できないのは、あなたたちが私の大切な女性たちについてあることないことを書くからです。あなたたちは、恋人の仇です」といったことがある。  アキヒトは、若くして天皇になったので、配偶者選びが皇后選びとなった。皇后になりそうな女性について、マスコミは当初礼賛記事を書いたが、しばらくするとスキャンダルのスクープ合戦になった。アバズレだという記事が氾濫した。元カレを探してきて、全裸写真を載せたり、芳しくない小学校時代の成績書を載せたりした。何世代も遡って調べるので、何かスキャンダルのタネが見つかった。もし、何も出て来なければネタをデッチあげることもした。皇后候補の風呂にカメラを仕掛けて全裸写真を撮ったり、暴漢に襲わせたりという犯罪も平気でやった。皇后候補が出かけると、たくさんのマスコミの車がついてまわった。彼女たちは、マスコミの執拗な暴力に心身ともにボロボロになり、アキヒトの前から姿を消していった。アキヒトが不幸になるほど、雑誌は売れた。国民全体が天皇をいじめて喜んでいた。
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