2016年 謹賀新年

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「戦時下でも、新しい年が来るのって何だかわくわくしますよね」 「……そうでしょうか。 何かあるわけでもあるまいし……むしろ面倒だし」 -新年番外編- 先程新年の挨拶を終えたばかりの、第三後方支援艦隊旗艦の艦長&副長コンビ。 新年……といっても、冬ではなく真夏なため、二人とも白の第二種軍服姿である。 朝6時には思いっきり青空が広がっているような時期だが、それでも新年。 「……なんだか不思議な感じがしますよね」 ヤマトが外を見ながらフッとため息をつく。 「まあ、慣れるものではありませんね。 子供の頃の感覚はずっと残るものみたいで」 北半球出身で、それなりに長い間そこで育った二人からしてみれば「新年=冬」というイメージが強い。 が、ここは南半球。 夏真っ盛りだったりする。 「そうですね……」 ヤマトが静かに目を閉じる。 「私の育った場所は、海が凄く近くって……年が変わる時期になると空が灰色になって、なんだか寂しい雰囲気でした。 雪とか降ってましたね」 どうやら、珍しく故郷のことを思い出しているらしかった。 ヤマトが自分の故郷の話をするのも珍しく、エフィーは少々心配するような目を向ける。 暑さでやられたんじゃないか、といった心配を。 そんな心配など露知らず、ヤマトがエフィーに話をふる。 「副長の故郷はどんな感じでした?」 「……夜が長くて、少しだけ陽が昇ってましたね……。 そ、そんなこと、どうでもいいでしょう。 ほら……、さっさと行きますよ」 エフィーはヤマトに背を向けると、先に艦橋を出ていく。 ヤマトは少しだけ微笑むと、その後に続いた。 今日、船員の2分の1は休日になっている。 そのためいつもは騒がしい船内がかなり静かだ。 しかしながら2分の1は通常通りの業務を行っている。 そんな船員にヤマトとエフィーは声をかけて回ることにしていた。
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