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「何よ、このどでかい音に螺旋だらけは危ない……あれ?当たっても痛くない?っていうか起きなさいよ、あんた」
どこからか聞き覚えのある声がする。
「夏美?」
スマホのアラームを押し、ホームに戻るボタンを押す。
「お前、何やってるの?」
そこには私の彼女がいた。もちろん、ゲームキャラとかじゃなくて三次元のしかも昨日も会ったばかりの彼女である。
「あんた、昨日のことを忘れたの?いいから朝食食べな……それとこのスマホ、玄関出るまで置いといてね」
「はぁ?なんで?」
「いいから!!」
私は彼女の金切り声と言ってもスマホの音を最小限にしたのでそんなに大きな声ではない。
「昨日のことか……」
私は部屋を出て近くにあるトイレでそう呟く。
「マコちゃん、ご飯出来たわよ」
よく考えれば夏美とは幼馴染である。毎年同じ学校に通っている。彼女とクラスが一緒にならなかったことはほとんどない。
「パンのジャム塗り過ぎよ。昨日、何かあったの?」
母親に言われて見てみたらパンにジャムがこぼれ落ちそうなぐらいあった。
「まぁ、いいわ。自業自得っていうわけでささっと食って行きなさい」
私はその後、身支度を済ませ玄関を出ようとした。
「おっと、危ない」
ズボンの左ポケットにスマホがないことに気が付き、ベットの上にあるそれを取る。
「行ってきます」
扉を開けて右隣の家の前に行き彼女を待つ。
「あのう……もしもし、まさかとは思うけど私のことを待ってるの?」
「そう……って……え?」
私はスマホをポケットから取り出す。メールが開かれていた。
「何だ、幻か?」
「えぇ、幻ならありがたいわよ?そりゃぁ、あんたのアレに触れそうになるんだからねぇ?」
私はメールのメッセージを読まずに閉じる。閉じたところにはホームに正座して座る彼女がいた。しかも青ざめている。これはまずい。
「ごめん。怒っているよね?」
「いいから学校へ……そしてズボンのポケットに入れないで」
「なんで?」
「布から何かが来るのよ。おそらくあんたのアレが!!」
「……ならこれでいいだろう?」
私はスマホをワイシャツの胸ポケットに差し込んで走る。
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