第1章

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年末年始に実家に帰るのは嫌いだ。 雪深く、静かな田舎町。 田舎があるっていいね……。 そう友人は言うけれど……。 お婆ちゃん子の自分にとって、祖母に付き添い近くのお宮に初詣に行くのが使命のようで、満員の新幹線に乗り、こうして帰ってくるのだけれど。 ただこれさえなかったら……。 B母「もー和くん。ちょー似合う?♪」 A私「……」 B父「ホントに!何処に嫁にだしても恥ずかしくないなぁ!さぁ!今度は栞をこう!そう!いいね!いいよぉ?」 A私「父さん。母さん。俺、もう30なんだよ……コスプレさせるのやめてくんない……」 B婆「あ?まるで弁天様だねぇ。さぁ初詣行こうかねぇ。和さん」 A私「……ばぁちゃんの為…だかんな!」 B父母婆「(うそつけ!一番楽しみにしてるじゃろが、着物新調して持ってきたくせに)」 雪の中、祖母の手を引き俺は毎年晴れ着で初詣に行く。 祖母の趣味だ!
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