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五月に入って間もなく、彼の元へ夜中に電話が入った
彼の口調が変わった
関西弁になり、キツい口調でのやり取り……
ただ事ではないと察したのだが、私は彼の顔を心配そうに見つめる事しか出来ず、彼から話があるまでは黙ってただただ隣に座っていただけだった
保釈金を積んだ知り合いが仮釈放されたその日に何かをやらかして、その揉み消しに四方八方手を回していた
色んな所から電話が入り、険しい顔つきの彼を見たのは初めてだった
なんとかことなきを得て、解決した時の彼のホッとした顔…………
嬉しそうだった
今まで私に向けられた事の無い笑顔だったかもしれない
その日を境に少しづつ彼が今までの彼の人生を語り始めた
内容は省略する
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