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五月も半ばだったと思う
例の知り合いが彼の元を訪れると言う事になった
私はある不安を憶えた……
彼はこのまま、また元の世界に戻ってしまうんじゃないか……と
彼が口癖の様に私に言う事があった
『俺が何処かへ行ったら慧が泣くから』
と
私は強がる様に
『それは武の言い訳でしょ?武が居なくなったら、その時にどうするかを決めるのは私自身だから』
と、その都度言い返してきた
それでも不安はあった
知り合いが来ていた日の夜、私は不安になりながら
『返事はいいからね』
と、不安であるその気持ちをメールで送った
勿論返事は無かった
翌日彼から電話が入り、楽しめた反面、飲み屋に出禁になる程の何かをやらかしたらしい
が、その程度で知り合いは帰って行き、彼は残っていてくれた事に泣ける程の安堵があったのも否定出来なかった
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