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彼は今までに私の周りにはいないタイプの人だ
出会った頃から
『俺を理解出来る人間はこの世にはいない。俺は俺だから。常に俺を一番でいさせてくれなければ俺とは一緒に居られない』
と言っていた
言葉だけは理解出来たが、本当の意味で彼を理解するのは、何ヵ月・何年と経って初めて理解出来ていくのだと思い知らされたのは当然の事ながら、まだまだ先の事だった
彼はとても厳しい
当たり前の事なのかもしれないが
『俺は何でも出来る。でも、お前が出来る事はお前がやれ。お前に出来ない事は俺がやってやる。でも出来ない事は出来る様に努力しろ』
と常々言っている
本来の私は必要以上に人に頭を下げたり、ましてや尽くす等した事の無い女だった
それが、彼の前では尽くすと言うと少し違うが、簡単に言えば、よく気が付き、彼が常にご機嫌でいられる様努力した
彼に言われていた事の中で最も重要視されていたのは
『お前は俺をキレさせないからいい』
と言う事
私は彼がキレたところは見た事は無い
が、想像した範囲でさえも背筋が凍る
男であろうと女であろうと関係無いと言っていたから尚更だった……
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