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私は二人が気づく様に目の前の席に荷物をどかっと置き、軽く挨拶を交わしてから座る。
「あ、やっと来たぁ」
佳子が私に声をかける。
「おはよう」
私は挨拶を返すと、コーヒーを頼んで二人を眺める。
篤人は目の前のノートPCから目を外すこともせずに、手に持っていたコーヒーカップを少しこちらに差し出した。挨拶のつもりなのだろう。
佳子はすぐに私に話しかけてきた。
「遅いよぉ。もう、篤人は話訊いてくれないから、暇だったんだから」
ならなぜここに来るのだろうか?
疑問に思いつつも、私は至極真っ当に答える。
「しょうがないだろ、授業受けないと単位を取れないんだから」
佳子は私に話しかけつつも、耳からイヤホンを外していない。
音楽を聴いているのだろうけど、そういえば佳子や篤人と音楽の話しはしたことが無いな。
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