一.そして事件が明らかになる

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イヤホンをボォッと見ていたのに気づかれたのか、佳子から話を振ってきた。 「あ、これ、面白いアプリを教えてもらって。ほら、聴いてみて」 と言って、佳子はイヤホンの片方を外して私の耳に近づけてくる。 多少ドキッとしつつも、佳子は何も気にしていないらしい。 私は渡されたイヤホンを耳に付けてみると、GALOの「学生街の喫茶店」が流れている。 ここは学生街というか、大学構内にある喫茶店なので、この場所にはぴったりだが、曲があまりにも古い。 ここにいる三人、誰も生まれていない頃に出た曲のはずだ。 私は父の影響で、オールディーズから日本のGS、最近の曲まで幅広く音楽を聴いていたため、これくらい有名な曲なら分かる。
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