三.そして事件が終息する

2/9
前へ
/16ページ
次へ
「え、五月ちゃんは男?」 「うん……」 ずっと「佳子の後輩の五月ちゃん」だから女性だと思っていた。 そうか、篤人に後輩とはいえ男性の話をしたくなかったのか。私は独りゴチる。 とはいえ、そうするとおかしなところがないか……? 「佳子は明らかに後輩の性別を隠す様に話している。それで話がまず良く分からなくなってる」 「で、でも、嘘はついてないよ!私、一回も五月ちゃんが女性だ、なんて言ってないもん!」 「まぁ確かに名言はしてないな。だが『五月ちゃん』ってちゃん付けだったり、飲み会にセーラー服で現れたとか、明らかにミスリードしてる」 「盛り上がったんだよね?、五月ちゃんの完全に女装したセーラー服コスプレ……」 佳子の声が段々と小さくなっていった。ミスリードをしている自覚はあったらしい。 そう言えば、篤人に最初に名前を聞かれたときにも困っていたな。
/16ページ

最初のコメントを投稿しよう!

0人が本棚に入れています
本棚に追加