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「え、五月ちゃんは男?」
「うん……」
ずっと「佳子の後輩の五月ちゃん」だから女性だと思っていた。
そうか、篤人に後輩とはいえ男性の話をしたくなかったのか。私は独りゴチる。
とはいえ、そうするとおかしなところがないか……?
「佳子は明らかに後輩の性別を隠す様に話している。それで話がまず良く分からなくなってる」
「で、でも、嘘はついてないよ!私、一回も五月ちゃんが女性だ、なんて言ってないもん!」
「まぁ確かに名言はしてないな。だが『五月ちゃん』ってちゃん付けだったり、飲み会にセーラー服で現れたとか、明らかにミスリードしてる」
「盛り上がったんだよね?、五月ちゃんの完全に女装したセーラー服コスプレ……」
佳子の声が段々と小さくなっていった。ミスリードをしている自覚はあったらしい。
そう言えば、篤人に最初に名前を聞かれたときにも困っていたな。
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