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「手をつないでもいい?」
小百合がうれしいことを言ってくれた。
コートのポケットで暖めていた左手を差し出した。
うふっ。ふっくらとしたちいさな手で可愛いな…
ずっと小百合のことが可愛いと思ってきたよ。
最初私を受け入れられずに反発しているのも可愛いかった。
「おっきいケーキ買って帰ろうか?」
小百合は食いしん坊なんだから(笑)
でも、本当に素直で、そんなところが好きだよ。
「そうだね」
いつもの街並みが輝いて見える。
カメラを持っていれば、この景色に溶け込む小百合をいっぱいフィルムに刻みたいな。
夕暮れがオレンジ色に風景を染めてゆく。
そして大好きな人と手をつないで歩いている。
気持ちがどんどん満たされていく。
ありがとう…小百合。
一緒に帰ろうね。
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