6.躍進

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健司はじめ、武闘派の揃った小林組はすぐに頭角を現し、2年後には禿鷹会いちの実力を持った組織となる。 「なぁ、健介。風呂でもいかねぇか?」 「風呂ですか!?今や親分は禿鷹会の最重要人物。そんな危ないところになんてお連れできませんや」 「なにを言っている。健介、お前がいれば大丈夫だろ」 健司たちの活躍の影には当然、反発する輩も多数でてくる。 そんな輩につけ狙われる幸太は、いくどとなく健介に命を助けられてきた。 「いや、でも…」 「なんだ、自信がないのか?」 「いえ、決してそんな」 「じゃぁ、いいじゃねぇか。たまには二人でゆっくりしようや」 「…はい。でも、用心してくださいよ」 「大丈夫だ。お前がいることが最大の用心だよ」 「はは。まぁ、違いないですね」 都内の銭湯。 「わりぃな、じいさん。今日は貸切だ」 入り口の前にはスーツに身を包んだ若衆が立ちふさがる。 「これで他の風呂にでもいってくれや」 湯につかりに来た老人に、1万円を握らせる。 「あ、ありがとうございます…」 「また来てな~」 湯船。 「なぁ、健介。兄貴の事どう思う?」 「え?兄貴って、健司兄ぃの事ですか?」 「ああ」 「そりゃ、兄ぃはすごいですよ。尊敬してます」 「俺よりもか?」 「よしてくださいよ。俺の一番は親分です。兄ぃはまぁ、その次ですね」 「はは。気を遣わなくていい。血の繋がりとは比べられんわな。悪かった」 「どうしたんですか?」 「いや、なんでもない…」 ((最近の健司は少し行き過ぎる…)) 健司とともに、武闘派として片翼を務めていた幼馴染のヤスは、敵対勢力からの襲撃を受け、命を落としていた。 「兄ぃを心配してくださってるんですか?」 「まぁ、な」 「大丈夫ですよ。兄ぃは計算高い人だ。ヘマする人じゃねぇ」 「そうだな」 「親分はやさしいですね」 「ふん。…お前の兄貴もな」 「え?」 「なんで健司はお前をシノギに使わず、俺のそばに置いているのか。しってるか?」 「そりゃ、俺が強いからでしょう。親分のボディーガードは俺じゃなくっちゃ」 「まぁ、それもあるけどな」 「他になにがあるんですか?」
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