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私がもっと
子どもだった頃は
こんな激しいことも
嫌いじゃなかったけれど、
今はもう少しゆるやかな
悦楽が好みで。
そして、
どうせなら激しさよりも
心地よさとその時間に
酔い痴れたい。
悲鳴が上がる一歩手前の、
身を捩りたくなるような、
あの感じ。
口に出すとどうしても
おかしな女のセリフに
聴こえてしまうだろうけど。
必死に力を入れ、
ひたすら私を責め立てることに
夢中な桃さまを
軽く諌めるつもりで──
そっと、手首を引いた。
桃さまの男性らしく
しっかりした首が、
少しだけ絞まってしまうように。
──と。
「……ッ、はっ、あ」
鎖と黒革を通して、
サディスティックな
彼の首を下から引っ張って
絞め上げた瞬間、
彼はひときわ強く
私に打ち付けて、
うなだれる。
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