生はまこと偽物(いかもの)に尽きる

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  脚の間、 まだゆるゆると 微熱にたゆたうそこを 確かめられて 思わず息を呑む。 最初から思っていたけど、 この人の指は ひどくたちが悪い。 「まあ、新雪というほど おきれいな人ではないのは わかっているんですが」 「……ッ、あ、 ちょっと……」 逃げたいのに、 桃さまの指が悪さをするのを どこまでも 許したくなってくる。 女って最悪だ。 建前と理性と 本心と本性と本能が 全部違うって、 こんなときほど 自分でもよくわかる。 建前と理性と 本心の葛藤なんて、 悩ましいものではあるけれど 大して問題にならない。 でも本性と本能が からんできたときは、 話が別だ。 .
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