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「……自分の部屋に帰ったら、
付き合っていた女が
あらぬ方向を見つめて
転がっていたんです。
完全にこと切れていて、
あのとき
僕のなにかも
一緒に殺されました」
桃さまの真っ黒の瞳が、
潤んで揺れて見えたのは
気のせいだっただろうか。
衝動的に
彼の唇を塞いで、
さらさら髪の頭を
抱いてしまったから、
それ以上私には
なにも見えなかった。
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