生はまこと偽物(いかもの)に尽きる

7/37
前へ
/37ページ
次へ
  自分の性を 思い知らされるとき、 私はだいたい絶望で いっぱいになるのだけど。 そうしてこぼれた涙に、 さらに思い知らされて 胸が熱くなる。 声を上げて 泣いてしまいたいのに、 桃さまが私の体と言わず 心の真ん中まで 乱暴に穿つから、 漏れ出るのは あられもない声。 それがきっと 彼の性を煽ること、 わかっているのに。 腕を押さえつけられて 好きにされているのが、 私をいいように 追いつめてくれる。 「や、や、やめ、 やっ、あ……」 拒否なのか 性のいたずらなのか、 もはや区別が つかなかった。 .
/37ページ

最初のコメントを投稿しよう!

572人が本棚に入れています
本棚に追加