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『黒いカーニバル』 レイ・ブラッドベリ
『黒いカーニバル』 レイ・ブラッドベリ
伊藤典夫 訳
新装文庫版
今回紹介するのはアメリカの小説家レイ・ブラッドベリの短編集で『黒いカーニバル』です。
日本で単行本として出版されたのは1972年、その後に文庫版も発売されたものの新装文庫版です。
ちなみにオリジナルは1947年にアメリカで刊行されたもので、手に入れることが難しく幻の短編集と言われています。
本作品は集めることのできたオリジナルからの作品と、他の短編集からの抜粋した作品を集め日本で発売されたバージョンです。
レイ・ブラッドベリについてはSF作家として世界的に有名な作家です。SF長編小説『華氏451度』が有名ですが、短編小説でもO・ヘンリー賞に入賞しているだけあり、評価は高いです。詳しくはWikipediaで。
この本を選んだ理由は、ここでも紹介している『三体』の作者も影響を受けたという情報からです。
内容ですが、裏表紙の説明でも書いてあったとおり《叙情SFの名手が贈る恐怖と幻想にあふれた24篇の物語》でした。
僕が読み終えて、SF?ファンタジー?
が正直な初めの感想。
そして、1976年の訳者あとがきと、新装版2003年の訳者あとがきを読んで納得しました。
今ではかなりジャンル分けされていますが、ファンタジーのジャンルは1970年代後半に確立されたものらしいです。それまでは、はっきりジャンルが分かれていなかったということですね。
この短編集の凄いところは、SFっぽい(かなり広義の意味でも)のが少し、あとはミステリー、ホラー、ファンタジーの短編小説です。
それぞれ作品の長さもバラバラで短いと数ページの作品もあります。
それで、評価的にどうだったの?
面白かったの?
というのが、大切ですよね?
超面白かったです!
すごくわかりやすく言うと『世にも奇妙な物語』みたいです。
あの番組も、ジャンルは怖いのがあったり、ファンタジーがあったり、ミステリーがあったりしますよね?
あと、予想外どんでん返しや、ホッコリや、悲しい結末や、恐ろしい結末や、少し泣ける叙情に溢れた物語や、色々あるじゃないですか。
アレです。
あの番組は様々な作家が参加して成り立っていますが、いくつかの物語はこの本からアイディアを得ているのではないかと思うほどです。
それぐらいバラエティに富んだ良作が揃っている短編集だと思います。
ちなみに僕は特に叙情系のが何作品かお気に入りになりました。
『死』についても考えさせられる作品が多いです。それは『生きる』ことについて考えることでもあります。
ブラッドベリの短編集を探して全部読みたくなりました。
また代表作であるSF長編の『華氏451度』は絶対に読みたいです。
おわり
P.S.
最近、女優さんや俳優さんの悲しいニュースが続き、とても心苦しくなります。
ここで紹介している作家さんが原作の映画化作品にも多数出演されていました。
心よりご冥福をお祈りいたします。
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