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『A』 中村文則
『A』 中村文則
今回は最近僕がハマっている作家で中村文則さんの短篇集『A』の紹介です。
2014年初版発行。
中村文則の14冊目の単行本。
2007年から2014年までに書かれた短篇を集めた短篇集です。12篇収められています。
(文庫版も既に発売されています。)
内容はというと、中村文則さんの作品にしては、そこまでグロテスクやバイオレンス的にエグくはないかなと。
いや、僕自身がマヒしてきているのかもしれませんね。
作家を題材にした作品が何作かあり、作家の苦悩がわかる気がします。色々な文豪の名前も出てくるので読書マニアには(文豪マニアというか)、ニヤっとできる部分がいくつかあります。
「川端康成は変態だ、、、」とか、「安部公房は」とか。色んな文豪の自殺の話しなどなど。
そして相変わらず、かなり病んでいる状態を作品全体をメタファー(隠喩)化して表現したりするので、本当にわからない人はわからない作品だと思います。(逆に新鮮かもしれません。笑)
どこかフランツ・カフカを思い起こさせます。
また「現代小説」という雑誌に官能小説を書いて欲しいとお願いされて書いた、官能小説っぽくない官能小説も2作品あります。かなりエロいですが。
それに関わらずほとんどの作品に普通の人なら「え?」というようなエッチ言葉が出てきます。
会社で使うとセクハラ間違いなしの言葉です。
僕は文学作品だと思っているので、全然気にしませんが。
あとがきの作家本人の言葉どおり、バラエティの富んだ短篇集ではないでしょうか。
雰囲気が、ある程度違う作品が集まっているので、全体でバランスをとれば読んでも陰鬱になりすぎないと思います。笑
余談ですが、最近お気に入りのテレビ番組でEテレの「100分de文学」というのがあるのですが、今は谷崎潤一郎を特集しています。この人もなかなか変態っぽい作品書いているのですよ。
偉大なる文豪には変態が多いです。
そうゆう意味では中村文則さんも歴史に残る偉大な文豪になる可能性はあるのかもしれません。
(称賛です!)
おわり
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