『パラドックス13』 東野圭吾

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『パラドックス13』 東野圭吾

58e6dea9-af94-488e-b7a9-75256a37b31f 『パラドックス13(サーティーン)』東野圭吾 2009年4月 単行本 刊行 今回読んだのは、 2015年5月 刊行の文庫版 本文562ページ 今回は東野圭吾さんの『パラドックス13』です。 Book offで中古本購入しました。 選んだのは題名と裏表紙のあらすじです。 「13時13分13秒、街から人が消えた。無人の東京に残されたのは境遇も年齢も異なる13人の男女。なぜ彼らが選ばれたのか。〜」 どうですか?気になりますよね? 東野圭吾さんと言えばミステリー推理小説のイメージですが、SFっぽいなと興味が湧きました。 (もちろん東野圭吾さんの推理小説も好きです) 読後の感想をいきなり述べますが、 東野圭吾さんのガリレオシリーズ風に言うと、 「実に面白い」ということです。 読む前は『漂流教室』みたいな話かな?と少し思っていました。 違う次元に飛ばされた人たちがサバイバルしながら生き抜き、その謎を解く話です。(『漂流教室』を詳しく知りたい人は調べてみてください) 本作品にもその要素も、もちろんあります。 また、ライトノベルで流行った生き残りゲームみたいなところも少しあります。ただしメインではありません。裏切りまくりはありません。笑 あとハードSF的な、何故その世界に迷い込んだのかという科学的根拠の追求もあります。 だけど、これもメインではありません。 これらの要素がバランスよく話に入りながらも、この作品のメインは「人間の極限状態になった時に何を真理とするかという問い」です。 これが小説の中で露骨に問われます。 露骨にというのは、つまり比喩や状況描写で表現するというのではなく、普通に会話で議論するような感じです。 僕が東野圭吾さんの作品で、こうゆうのは読んだことが無かったので、珍しいなと思いました。 そして、東野圭吾さん、やはり凄いなと。 全体的な作風は東野圭吾さんですが、書き方が作品によって変えることができるというか、書き方のパターンが豊富なんでしょう。 話の展開が早いので562ページを一気読みできました。気が休まる暇もない感じです。(もともと連載小説なので当たり前と言えば当たり前ですが。毎回、何か事件、問題が起こるということです。) 果たして13人は元の世界に戻れるのか? 何故、選ばれたのか? 何故、その日時なのか? 地震や大雨などの災害の中、 全員生き残れるのか? などなど、謎とトラブルの連続です。 そして、読み終えると東野圭吾さんらしい読後感を味わえると思います。 最後にもう一度。 「実に面白い」 おわり
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