第1章

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思えば、一度たりとも喧嘩なんてしたことがなかった。 16歳のときに拓海から告白され付き合い始めて、早や四年。 拓海みたいな人が如何して平凡な私なんかと付き合おうと思ったのかは怪態なこと。 すぐに振られるんだろうな、と思いながらずるずると関係を続けてきたけれど。未だに彼が浮気をした事実は耳にしない。 もしかしたら、それが私を無意識のうちに安心させてるのかもしれない。 彼は私以外の女には靡かない、と。 明らかに私より美人な子が彼に攻め寄っても、彼は興味を示さない。 『彼女が居るから。』の一点張り。 尽く女子たちは泣きながら去っていく。
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