第1章

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もの思わしげな顔をする私。その頭に軽く手を乗せる。 気にしないよ。そう言ってまた、ふっと頬を緩める彼。 たったそれだけなのに。 トクンッ。高鳴る心臓。 心を奪われそうになるのは、私が単純だから。 彼に溺れそうになる私は、馬鹿だから。 その優しさに、〝不安〟を誤魔化されそうになる。 ふと、忘れてしまいそうになる。
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