第1章

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きゅ。と左腕を掴まれて。 どこにそんな力があるのかと疑う程細い――けれど逞しい右腕によって体を引き上げられる。 『うわ、』 その反動で私は椅子から立ち上がった。 驚いて目を丸くする。 その様子にクスクスと笑うと、おいで。と楽しそうに手を差し出す。 嗚呼。 結局、この悪戯な瞳には抗えないんだ。
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