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『もっとあっち行って』
「嫌。」
『なっ、』
「近くにいるほうがあったかい。」
即座に却下した後。私がわざわざ身を丸くしたのにも関わらず、ポンと肩に頭を乗せ寄りかかってくる。
それに不覚にもどきん、と高鳴ってしまう心臓。
拓海のふわふわとした細い茶色の髪が、呼吸をするたびに触れて擽ったい。
部屋に漂う香りが、拓海が近くに居ることでより強く漂ってくる。甘い甘い香りに、脳内が麻酔をかけられてしまいそう。
『………狡いよ。』
「え?」
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