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差し出されたのは、赤い線が入った白い陶器のコップ。中にはお茶が入ってる。
「それ。紗和の分。」
ふわりと目を細めると、自分のコップもテーブルに置いた。そして何故か椅子の距離を近づけると、私の隣に座る。
『いいって言ったのに。』
「話してる途中に喉が乾くかもしれないから。」
『…そうだね。ありがと』
そんな些細な拓海の配慮に胸をときめかせる。
馬鹿だな、こんなこと誰にだってするって。
揺れ動いてしまう単純な心に、心中で苦笑い。
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