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西暦2038年 そして光暦645年
並べたことに特別意味は無いです。あくまで私の主観。
それらが等しいのかすら確認しようが無いのですから。
御多分に漏れず、前世の記憶を持ったまま異世界に転生した、という奴です。
転生先の世界は割りと平和です。少なくとも、私の周囲は。
剣も魔法も有るけれど概ね平和なので安全地帯に引っ込んで生活してれば、特に何も?戦争?何それ美味しいの?という感じ。
美味しい人には美味しいのかもしれませんけど、ここ数十年国境付近での小競り合い程度で恒例行事みたいなものらしいです。あれだ、春の選抜みたいな。もしくは千秋楽みたいな。
ちなみに私、ミサキは二十五歳。異世界転生物の主人公としては面白みの無い年齢です。
JKだせJK!いやいや時代はJSだJS! うん、そう思った人とは友達になれそうです。
まぁ、私は語り部みたいなものなので御気になさらず。私の存在なんぞおまけですおまけ。
職業は街の騎士団お抱え非常勤魔術師。
魔術が使えそうな事態、山火事やら日照りやら害虫・獣駆除やらに要請があれば出動します。他にも通常任務は有るには有るのですが、絶賛放置プレイ中。
御給料は贅沢しなければ、それと家持ちであれば何とか暮らせるくらい頂いております。
まぁ、魔術師として狩り出されるのは年に数回程度なので割りの良い商売、小遣い稼ぎです。そう考えると実態はニート。
前世でもニート。しかも病弱でパソコンと本だけが親友という筋金入りのニート。
風邪こじらせて寝込んでたはずなのですが、起きたら今の世界で赤ん坊からやり直しでしたよ。
こりゃ、転生だ、と納得するまで相当時間が掛かりました。そりゃそうだ。
異世界転生物の主人公たちはずるい。何その適応力。こちとら前世ですら社会不適合者だったんだ。異世界にそんなすぐ慣れたり受け入れられたりする訳ねーだろが!
幼い頃から
「うーん……異世界か……取り合えず……明日から頑張る!」
を繰り返してたら現世でも立派なニートの最上級、ニーテストの爆誕です。
で、この世界での私の名はミサキ・ハーベスト。
前世からの知識、それこそがチートだと言われようとも所詮は前世でもニート。
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